自己退職なのに花束を

私が某総合電機メーカーを退職するときのこと。

退職する日の終礼で、

定年退職をされる方には
 花束を贈り、
 ハイヤーが用意され、
 乗り込んで帰宅されるのをお見送りする

という儀式がある。

自己退職する人は、挨拶する程度で儀式はない。

というのが通例である。

しかしながら、私が自己退職するときには、
私は花束をいただいた。

同じ日に定年退職をされる方がいらしたので、
「ついで」の意味合いが強かったのは言うまでもないが、
自己退職の人に花束はそうそうあることではない。
とのこと。

景気の悪かった時期に経費を使ってまで異例のことだった。
とのこと。

私はお見送りがないので、定年退職の方をお見送りした後に、
普通に帰宅する準備をしているときに、チラッと聞いた話では、
女子社員のみんなが「せっかくだから木村さんにも」と
いうことになったという。

それはそれは、とても嬉しいことだった。

その後、なぜそんなことをしてもらえたのかを
自分なりに分析した。

女子社員のお仕事は、
 経理処理や出張の手続き
 備品の管理
 部長・課長の資料作り
 コピー取り
 お茶くみ
など、いわゆる部署のバックオフィス的なもの。

当時まだパソコンを使いこなせていない世代の部課長が
多かったので、資料作りなどで大変忙しくされていました。

他の男性社員は、そんな女性社員の都合などお構いなしで
急な出張の切符の手配やらコピーやらを頼んでいる。

下っ端だった私は
話しかけるタイミングを見計らったり、
作業をお願いするときも時間的余裕をもってお願いし、
他に優先度の高い作業があっても大丈夫なように氣を配っていた。

遠慮していたということではなく。

そして、お願いしたことをしてもらったときには、
しっかりと感謝の意を伝えていた。

立場的には、男性社員よりも下に見られがちな女子社員を
同じ立場として、尊重して接していたことが伝わっていたのだと
分析した。

後に、ナポレオン・ヒルプログラムを学んで、
そのように人を尊重して接することの大切さを学んだ。

これも実体験があったからこそ、深く理解できたことの一つである。

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