英人:よっ、Hくん。どうしたの、元氣ないみたいだけど。
Hくん:あ、英人くん。英人くんはいつも元氣だね。
英人:どうしたの? なんかあったの?
Hくん:いや〜、また仕事でミスしちゃって、先輩に怒られちゃって
英人:それは大変だったね。カフェで、ゆっくり話聞こうか?
Hくん:ありがとう。頼むよ。
二人は、ちょっとオシャレなカフェに移動した。
英人:で、何をしでかしちゃったの?
Hくん:それがさぁ、昨日、上司から「明日までにお願いね」って、
お客さんに出す提案書の修正を頼まれたの。
それで、・・・
とHくんは、ことのなりゆきを英人に説明した。
その内容は次のとおり。
・昨日は別の仕事で忙しくて、結局、終電までの残業になってしまった。
・今朝、少し早く出社して、頼まれた提案書の修正作業を始めた。
・出社してきた上司に提案書を催促された。
・まだ作業中だと伝えると、仕事が遅いと怒られた。
上司は午前中にお客様に持って行く約束をしていたので、出社して提案書を持って、そのまま出かけるつもりだったようだ。
Hくん:ひどい上司だと思わない?
だって、明日までにって言うから、早めに午前中には終わらせようと思っていたんだよ。
それなのに、「仕事が遅い!」って。
そうそう、先週はこんなこともあったよ・・・
とHくんは、先週あったできごとについて説明を始めた。
先週の出来事の概要は次のとおり。
・2日後の会議の資料作成を頼まれた。
・比較的時間に余裕があったので、良いモノを作ろうと意気込んで早速着手した。
・体裁に気を配り、グラフや表にも凝って、資料作成を進めていた。
・翌日、上司が資料の進み具合を聞いてきたので、作成途中のモノを見せた。
・作成途中の資料を見た上司に、「見栄えはどうでもいいから、中身を早く書け!」と言われた。
会議はまだアイデア出しの段階なので、見栄えよりも、アイデアが浮かんだ背景を分かりやすく説明するために使う資料が必要と上司は考えていた。
会議までに何度か、書いては修正を繰り返して、内容をブラッシュアップするつもりだったようだ。
Hくん:せっかく、見やすいように、細かいところまで気を配って作っていたのに、「見栄えなんてどうでもいいから」って。
上司は、僕の努力を認めようとしないんだよ。
英人:はぁ。
Hくんの話は止まらなかった。
Hくん:それだけじゃないんだ。この間なんて・・・
この間の出来事の概要は次のとおり。
・やっぱり、提案書の作成を上司に頼まれた。
・上司に言われた締切までに、ある程度のモノはできたが、納得いっていなかった。
・そこで、納得がいく、もっと良いモノにしたかったので、締切を半日延ばしてもらえるよう頼もうとした。
・上司は、締切を守れなかったことでHくんを指導した。
Hくん:ね、ひどいでしょ。
良い仕事をしようという僕のマジメな姿勢を評価しないなんてどうかしてるよ。
英人:ん〜。
英人は、もはや自分の手には負えないと思った。
その上司より、Hくんに問題があることは明かだった。
でも、Hくんと同年代の自分からそれを話すには限界があると思った。
そこで、本村の力を借りることにした。
英人:あのさ、僕がいつもお世話になっている「本村さん」っていう人がいるんだけど、いつもいろんなことを教えてくれているんだ。
などと、本村のプロフィールなどを伝えた。
英人:本村さんはその上司と年代が近いので、上司の考えていることも分かるだろうし、どうしたらHくんがもっと評価してもらえるのか、というのも教えてくれると思うんだ。
僕も、本村さんのお話を聴きたいから、今度紹介するので、一緒に話を聞きに行こうよ。
Hくん:会ったことない人のところに行くのは氣が乗らないなぁ。
英人:
大丈夫だよ。
とっても優しい人で、ずっと年下の僕らの話もちゃんと聞いてくれるんだよ。
そして、一緒に解決策を考えてくれるんだ。
きみの悩みが解消できて、もっと仕事で貢献できるようになるなら、ちょっとがんばって会ってみたら。
Hくん:きみがそこまで言うなら、一度会って、相談に乗ってもらおうかな。
英人:そうだよ、そうしよう!
後日、Hくんと英人は、本村のもとを訪ねた。
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