日常を振り返ってみてください。
普段一番頼りにしているのは、五感のうちのどの感覚ですか?
特別な事情がない限り、
視覚に頼る部分が大きいのではないでしょうか?
それでは、視覚を遮断してみるとどうなるでしょうか?
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そんな体験ができるワークショップがあります。
「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」です。
法人向け
http://www.dialoginthedark.com/company/
一般向け
http://www.dialoginthedark.com/
もともとは、目の見えない人と目の見える人が
一緒に働ける職場環境を作ろうと考えた、
ドイツのある企業が始めたワークショップらしいです。
目の見えない人が、普段どんな世界で生活しているのかを
目の見える人が体験して、理解しようというものです。
そして、相互理解を深めようというものです。
その後、それを他の企業の研修に使ったり、
一般向けにアレンジしたり、ということを経て、
日本でも開催されるようになったそうです。
私も2006年に、当時の彼女(今の妻)と
一般向けのワークショップに参加したことがあります。
当時はまだ1年のうち、1ヶ月半くらい、毎年場所を変えて
開催するだけでしたが、今は常設会場で通年開催しているようです。
ここで、いくら宣伝しても、私には何のメリットもないのですが、
そこでの経験は、ここでシェアするのにはちょうど良いと思ったので、
その話を紹介しますね。
完全に光を遮断した、暗闇に目がどんなに慣れたとしても、
何も見えない世界です。
「アテンド」と呼ばれる、目の見えない人を案内人として、
グループで暗闇に入っていきます。
視覚が完全に遮断されているので、
頼りになるのは、聴覚、触覚、味覚、嗅覚です。
五感のうちの一つ遮断されただけなのに、
とても不安というか、恐怖というか、を感じます。
日頃、どれだけ視覚に頼って生活しているのかが分かります。
暗闇の中には、いくつかのシチュエーションが用意されています。
(シチュエーション例:
・縁日をしている神社の境内
・牧場
・砂浜
など)
足元が固い地面だったり、砂地だったり、落ち葉で覆われていたり。
鳥のさえずりが聞こえたり、お祭りの笛・太鼓が聞こえたり。
土の匂いがしたり、ソースが焦げる匂いがしたり。
ここはどんなシチュエーションだ?
と、手探りで辺りのものを触ってみたり、
何が聞こえるか耳をそばだててみたり、
クンクンと匂いを嗅いでみたり。
使える感覚を使って、周囲を観察し、
そして、想像力を駆使して、今自分がいる
シチュエーションを思い浮かべます。
慣れてくると、自分が今どんなシチュエーションにいるのかが
だんだん早く分かるようになってきます。
視覚以外の感覚が研ぎ澄ませれていくのが分かります。
観察力と想像力が磨かれていくのが分かります。
とはいえ、移動時に参加者は、
はぐれてはいけないとばかりに、
隣の人とくっつきあって、群れを成して動きます。
見える世界ではあり得ないほどの密着度だったと思います(笑)。
移動するのに、モノにぶつかってみたり。
それはもう、大騒ぎでした。
一方、目の見えないアテンドにとっては、
この暗闇もいつもと同じ世界です。
普段から視覚が遮断されている彼らは、
それ以外の五感がとても鋭敏になっているのです。
最初に、グループ(そのときは8人でした)の1人1人が
自己紹介として自分のニックネームを言うのですが、
アテンドはそれだけで全員の声とニックネームを覚えてしまうのです。
さらに、立ち位置も把握してしまいます。
そして、次のシチュエーションに移動するときに集合するのですが、
そのときには当然、みんなの立ち位置は変わってしまっています。
しかし、集合場所でアテンドは
「〇〇さん、もう少し近くに寄ってください」と言うのです。
ちょっとした話し声だけで、誰がどこにいるのか
やっぱり把握しているのです。
最後のシチュエーションは、カフェでした。
アテンドとは別のカフェスタッフがいて、
8人のドリンクオーダーを取っていきます。
オーダーを取ったあと、
冷蔵庫を開け(音で分かる)、
グラスにそれぞれのドリンクを注ぎ(音で分かる)、
グラスをそれぞれオーダー主に渡す(渡された)、
のです。
何も見えていない我々参加者には、
神業としか思えませんでした。
でも、スタッフにしてみたら、いつもと同じ世界なんですよね。
何の不自由もないことなのでしょう。
このように、目の見えない彼らは、
視覚が遮断されていることを補ってあまりある程に、
他の感覚を鋭敏に使っているのです。
そして、もちろん、観察力と想像力も。
我々は、普段、視覚に頼る部分が大きいので、
使えるモノは使った方が良いので、それはそれとして、
視覚を含めた五感全てを研ぎ澄まして、
そこに、観察力と想像力を磨いていく
ことをしていくと良いのではないかと思います。
そうすることで、コミュニケーションスキル、
ひいては、リーダーシップも向上していくことになるのです。
「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」
法人向けは、企業研修としてのメニューがあるようです。
そこまでしなくても、一般向けワークショップに
参加してみるのも良いかもしれません。
スタッフがお友達やパートナーと一緒に参加しやすく
するのも良いかもしれませんね。
法人向け(企業研修等)
http://www.dialoginthedark.com/company/
一般向けワークショップ
http://www.dialoginthedark.com/
ちなみに、私の個別サポートやセミナーでも、
五感の研ぎ澄ませ方、観察力・想像力の磨き方を伝授しています。
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