小さい魚だけ持ち帰る釣り人

その釣り人は、魚を釣り上げるたびに、釣った魚の大きさを吟味していました。

通常ならば、一定以上の大きさの魚を持ち帰り、それより小さい魚は放してあげるものですが、その釣り人は違っていました。

その釣り人は、一定以上の大きさの魚を放し、それより小さい魚を持ち帰るために、“びく”に入れていました。

それを見ていて不思議に思ったある男が、その釣り人に尋ねました。

「なぜ、大きな魚を放してしまうんだい?」

釣り人は答えました。

「家のフライパンが小さいから、大きな魚は調理できないんだ。
 だからフライパンに入る魚だけ持って帰るのさ。」

その答えを聞いて、男は言いました。

「なぜ、フライパンを大きなものにしないんだい?」

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