①視覚系、聴覚系、感覚系
2021.04.15
情報処理の3つのタイプ
人間の脳が情報を処理するときに、情報の種類によって、得意・不得意、優位に働くもの・そうでないものがあります。 どの情報が得...
これは、脳における情報処理の方法によるパターン分けです。
人間の脳は、外界からの情報を、五感を通して取り入れています。
そして、五感からの情報を基に考え、反応しています。
その五感をどのようなバランスで利用しているかによって、
パターン分けする方法です。
五感は、
1.視覚 2.聴覚 3.触覚 4.嗅覚 5.味覚
です。
そして、3~5をまとめて感覚としています。
つまり、
a.視覚情報を主に使って情報処理をする場合を、視覚系
b.聴覚情報を主に使って情報処理をする場合を、聴覚系
c.感覚(触覚、嗅覚、味覚)情報を主に使って情報処理する場合を、感覚系
といいます。
このパターン分けは、
血液型のようにその人固定のものではありません。
視覚、聴覚、感覚をどのような比率で活用するかの違いであり、
基本的には視覚、聴覚、感覚のどれも使っているのです。
ただ、そのバランスが人によって違うのです。
たいていの場合、三つのうち一つはあまり使いません。
そして、残りの二つが、そのときの場面やそのときどきによって、
どちらを優先的に使うかが切り替わることがあるのです。
例えば、Aさんの場合
仕事中は、
視覚系を優先的に使い、感覚系を使うこともある。
(ときどき、感覚系が優先になることもある)
聴覚系はあまり使わない。
でも、プライベートのときには、
感覚系を優先的に使い、視覚系を使うこともある。
聴覚系はあまり使わない。
のような感じです。
P.32の「アルバート・メラビアンの法則」の説明で、
視覚的情報と聴覚的情報と言語的情報の比率を文章で説明しました。
そのあとに、円グラフを示しました。
円グラフよりも、文章での説明の方が理解しやすいと感じた方は、
聴覚系です。
(聴覚系の方は、言葉や文字に対する感度が高いため、
文章を読むことで理解がしやすいようです。
中には、声に出して読むとさらに理解が進むという方もいらっしゃいます。
仕事中などにひとりごとが多いのもこのタイプです)
円グラフの方が分かりやすいと感じた方は、
視覚系です。
(視覚的に、写真や絵、グラフがあるととても理解がしやすいです。
この系の人は、食堂のメニューに写真がないとなかなか決められない系でも
あります)
感覚系の方は、どちらが理解しやすいのでしょうね。
もしかしたら、P.33の実体験による解釈が一番理解しやすかったかもしれません。
それでは、
視覚系、聴覚系、感覚系の特徴と
その相手に対する対応法を整理しましょう。
a.視覚系
視覚系を優先的に使っているときは、
・記憶をたどるとき、何かを考えるときに、目が上に動くことが多い。
・話すスピードが速い。
・声のトーンが高い。
・身振り手振りを使って、状況や物を見えるように表現する。
例えば、「こんな箱があって」と実際にそこに箱があるように、
手で形を表しながら話す。
・目で見える情報を表す言葉を多く使う。
色、形、大きさ、など。
相手が視覚系を優先的に使っているときは、
・相手の話す速いスピードに合わせる。
・目で見えるもの(図、写真、グラフなど)を見せる。
・相手が頭の中で映像を思い浮かべることができるように、
目で得る情報を表す言葉を使うようにする。
・実例を挙げる。
b.聴覚系
聴覚系を優先的に使っているときは、
・記憶をたどるとき、何かを考えるときに、目が横に動くことが多い。
・話すスピードは、視覚系と感覚系の人の中間くらい。
・独り言を言いながら考えることが多い。
・言葉の使い方、意味・定義を大切にする。
・うんちくや由来、スペックで事柄や物を表現する。
・耳で聞こえる情報を表す言葉を多く使う。
相手が聴覚系を優先的に使っているときは、
・相手の話す中間のスピードに合わせる。
・とにかく、言葉で言うことが大切。
・うんちくや由来、スペックを説明するようにする。
c.感覚系
感覚系を優先的に使っているときは、
・記憶をたどるとき、何かを考えるときに、目が下に動くことが多い。
・話すスピードは、とってもゆっくり。
・理屈よりふれあいが大切。
・体で感じる情報を表す言葉を多く使う。
相手が感覚系を優先的に使っているときは、
・相手の話すゆっくりとしたスピードに合わせる。
質問や声掛けをしても、なかなか返事・反応がない場合があります。
それは体で感じて理解して、答を用意している時間なので、
待ってあげるようにしましょう。
反応がゆっくりだからといって、決して頭が悪いわけではありません。
じっくりと考えるパターンの人なのです。
・膝や肩などをポンとたたく。
・実際に、物を持たせたり、触らせたりする。
・体で感じられる言葉を使って説明するようにする。
相手がどの系を優先的に使っているのかを見分ける方法としては、
・いくつか質問をしてみて、
その質問を聞いてから答えるまでの目の動きを観察する。
・話のスピードをチェックする。
・使っている言葉が、視覚系か、聴覚系か、感覚系かをチェックする
などがやりやすい方法です。
優先的に使っている系の違いによる表現の違いの例を挙げてみましょう。
相手に、その場にはいないAさんのことを紹介してもらってみてください。
・視覚系の場合
「Aさんは、背が高くて、色黒で、髪が長くて、眼鏡を掛けていて、・・・」
・聴覚系の場合
「Aさんは、○○社の課長で、以前は△△プロジェクトを成功させた立て役者で、
趣味は・・・」
・感覚系の場合
「Aさんは、人当たりが良くて、優しくて、さっぱりした性格で氣持ちが良いです。」
会議が終わったあとに、会議資料について質問がありました。
・視覚系の場合
「表紙が青い資料に書いてあった、・・・」
・聴覚系の場合
「タイトルが、○○○○という資料に書いてあった、・・・」
・感覚系の場合
「一番分厚い資料に書いてあった、・・・」
という感じです。
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