人が新しいことを習得するときに、何を大事にして、どのように学んでいくか、ということに、得意・不得意な方法があります。
その方法を大別すると、4つのタイプに分類できます。
4つの学習タイプを知る
この4つの学習タイプを知っていることは、レクチャーする側にとっても有益なことです。
その人のタイプに合った情報伝達の仕方で、レクチャーを受ければ、どんどん吸収して上達することができます。
その人のタイプに合わない情報伝達の仕方で、レクチャーを受ければ、なかなか吸収できない、ということがおこります。
レクチャーをする側としては、意識していないと、自分のタイプに沿った情報伝達の仕方しかしないということです。
レクチャーする相手のタイプが分からない場合には、4つのタイプの情報伝達の仕方を意識的にしてみて、相手がどのタイプかを見極めると良いでしょう。
そして、その後は、そのタイプに合わせた情報伝達の仕方で、レクチャーをすることです。
「そんなめんどくさいこと、やってられないよ。」
と思われるかもしれません。
もし相手が、繰り返しいろんなことをレクチャーする必要のある人、例えば、あなたのアシスタントやスタッフのような場合なら、どうでしょう。
レクチャーするたびに、相手がなかなか上達しないことに苛立つのと、すんなり上達するのと、どちらが良いですか?
相手が、苛立つあなたに嫌気を感じるのと、ストレス無く、気持ちよくレクチャーを受けられるのと、どちらが良いですか?
相手のタイプを知っておくことは、長期的にみると、効率的なレクチャーができるようになるということです。
そして、その人との人間関係や職場の雰囲気が、良好に保てることに繋がるのです。
ぜひ試してみてください。
それでも、「めんどくさいよ」という場合は、今後二度と、
- あの人は理解が遅い。
- 飲み込みが遅い。
- 何度同じことを言わせるのだ。
などと言わないでくださいね。
コミュニケーションは、伝える側と伝えられる側の双方で成り立つものです。
伝えられる側にすべての責任を押し付けないようにしてください。
また、複数の人に同時にレクチャーする場合には、4つのタイプの情報伝達の仕方を、満遍なく散りばめると良いでしょう。
4つの学習タイプとは
4つの学習タイプとは、以下の通りです。
- 「なぜ」タイプ
- 「なに」タイプ
- 「どうやって」タイプ
- 「今すぐ」タイプ
それでは、1つずつ詳しく解説していきましょう。
「なぜ」タイプ
意義や目的を理解してから動くタイプ。
それをやる目的や意義に納得したい。
納得するまで、動き出さない傾向があるので、モタモタしている印象を受けがち。
あれこれと質問してくる(ネガティブなことも)のは、やらない理由を探しているように感じることもあるが、実はやりたいという意欲の表れであることが多い。
やりたいから、納得したいから、あれこれと質問をするのです。
そもそも、やりたくないことには、質問すらしません。
だから、納得できれば、自分で考えて行動できるタイプ。
意義や目的を理解したい
これからレクチャーする内容の1ステップを1つのボールと喩えると。
ボールを受け取る前に、そのボールを処理する意義や目的を理解したい。
理解してからでないとボールを受け取りたくないし、受け取れない。
「なに」タイプ
データや証拠を見てから動くタイプ。
それをやったらどうなるか、のデータに納得したい。
納得するまで動き出さない傾向があるので、モタモタしている印象を受けがち。
あれこれと質問してくる(ネガティブなことも)のは、やらない理由を探しているように感じることがあるが、実はやりたいという意欲の表れであることが多い。
やりたいから、納得したいから、あれこれと質問をするのです。
そもそも、やりたくないことには、質問すらしません。
だから、納得できれば、自分で考えて行動できるタイプ。
データや証拠を知りたい
これからレクチャーする内容の1ステップを1つのボールと喩えると。
ボールを受け取る前に、そのボールを処理すると、どうなるのかを理解したい。
理解してからでないとボールを受け取りたくない、受け取れない。
「どうやって」タイプ
手順の全体像を知ってから動くタイプ。
それをどのように進めていくか、の全体の流れを知りたい。
まず、これからやるべきことの全体的な流れを把握したい。
次に、ステップ・バイ・ステップでやり方を知れば、行動できるタイプ。
全体の中で、自分が今やっていることが、どの部分に当たるのかを知りたいので、仮に、作業の一部を任せる場合でも、全体像を伝えた方が良い。
それをやる意義や目的、やったらどうなるか、などは、後からで(場合によっては無くても)良い。
全体像を把握したい
これからレクチャーする内容の1ステップを1つのボールと喩えると。
まずは、ボールを全部受け取りたい。
それから、1つずつのボールの処理法を知りたい。
1つずつしかボールを受け取れないと、自分が今、何をしているのか分からない、いつまで続くのか分からないので、処理できない。
「今すぐ」タイプ
今すぐ、何をすれば良いかを知って動くタイプ。
今、何をすれば良いのかを知りたい。
それをやる意義や目的、やったらどうなるか、全体像などが分からずとも、動けてしまうので、テキパキしている印象を受けるが、頭を使うのが苦手とも言える。
また、あれやこれや情報を提供してしまうと、どうして良いか、分からなくなってパニックになってしまい、アタフタしてしまいがち。
今やるべきことを1つずつ知りたい
これからレクチャーする内容の1ステップを1つのボールと喩えると。
1つボールを受け取ったら、そのボールを処理してから、次のボールを1つ受け取りたい。
全部のボールを先に受け取ったら、アタフタしてパニックになるだけで、ボールを全部落としてしまう。
ボールを受け取る前に、目的や意義、やったらどうなるかを説明されても、混乱するだけ。
4つの学習タイプに優劣の差はない
以上のように、4つの学習タイプがあります。
自分と同じタイプの人は、自分と同じやり方でできるので、つい、優秀だと勘違いしてしまいがちですが、もちろん、4つの学習タイプに優劣の差はありません。
単に、タイプが違うというだけです。
タイプの違いを知って、上手に対処できるようになると、人間関係や職場の雰囲気を、良好に維持できるようになるでしょう。
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