釣り人と少年の寓話

あるとき、ある湖で、老人が釣りをしていました。

そこに少年が近づいてきました。
最初は老人が釣った魚を物欲しそうに見ていました。

老人はそのことに氣付きながらも
特に何もすることなく、
釣りを続けていました。

少年はどうやらお腹をすかせているようです。
老人から魚を一匹分けて欲しいと思っているようです。

ついには、少年は老人に声を掛けました。


「昨日から何も食べていないんです。
 魚を一匹分けてくれませんか?」

老人は、それが聞こえなかったのか、
無視をして釣りを続けました。

老人は、必要な数だけ魚が釣れたところで、
釣りをやめて帰り支度をし始めました。

そして、少年に釣り竿とえさを渡して
去っていきました。

という物語です。

少年はしばらくの間、老人が魚を釣るのを
間近で見ていました。

老人は無視していたようだったけれど、
どうすれば上手に魚が釣れるかが分かるように
少年に見せていました。

少年に魚を与えることはカンタンです。
しかし、魚は食べてしまえばおしまいです。

また腹をすかせることになります。

そしたら、また魚を与えないといけません。

いずれ、老人が亡くなりでもしたら、
少年は魚を手に入れることができなくなります。

一方、釣り竿と魚の釣り方を教えれば、
少年は自分で魚を釣ることができるようになります。

そうすれば、老人がいなくても食べていくことができます。

そこまで考えて、老人は魚を与えることをしなかった、
というお話です。

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