プレフレーミング

解説記事に

プレフレーミング(pre-farming)という表現方法があります。

予め(pre-)、枠組み(frame)を設けるということです。

話の冒頭部分で、これからどんな話を、どんな目的で話すのか、を説明してから、本題に入るのです。

冒頭部分の話によって、その後の話が全く同じでも、違ったことが伝わってしまいます。

例えば、社長の訓話として、

「今期前半は、予算を達成できていません。
社員全員が知恵を出し合って、後半は予算達成に向けてがんばりましょう。」

というのがあったとします。
(とっても、ざっくりした例で申し訳ないですが)

この訓話の前に、司会者が、

「社長から、今期の厳しい状況についてお話いただきます。
社長、お願いします。」

という紹介があったあとに、上記の社長訓話を聞く場合と

「社長から、みなさんへの応援メッセージをいただきます。
社長、お願いします。」

という紹介があった場合とでは、社長の話の聞こえ方、意味合いが違って感じられるのではないでしょうか?

」「

プレフレーミング(pre-framing)は、予めフレーミングするということです。

これから話すことに対して、先にフレーミングすると、聞き手にとっては聞きやすい、受け取りやすい話になります。

例えば、次の2つのプレフレーミングをご覧ください。

  1. 今、我が社は大変厳しい状況に置かれています。ついては、あなたに次のことをお願いしたい。
  2. あなたは将来を嘱望される立場にいます。ついては、あなたに次のことをお願いしたい。

このプレフレーミングの後に、同じお願いをしたとします。聞き手には何が伝わるでしょうか?
1.の場合だと、「何かをさせられる」と思うかもしれません。2.の場合だと、「何ができるかな」と思うかもしれません。お願いごとを聞いた後に、どちらが主体的に行動を起こすようになるか、という観点からすると、大きな差が生まれることはお分かりいただけるのではないでしょうか。

もう1つ例を挙げてみましょう。私のサラリーマン時代の話です。
あるとき、唐突に当時の上司である課長から「木村くん、先月は何時間残業した?」と聞かれました。
そのとき、私は答えに窮してしまいました。折しも、不景気で残業を抑えられている時節柄「もっと残業を減らしなさい」「残業しないようにしなさい」などと言われるのではないか、という恐れを感じてしまったのです。責められるのではないかという恐怖です。
私の残業は少ない方で、付きに10時間くらいなもので、責められるほどではなかったのですが、プレッシャーを感じました。
「ここは、少なめに答えた方が良いのかな?」「いや、逆に多めに答えた方が良いかな?」などと、変な気を起こしてしまいそうでした。
実際は、「残業代の予算を組むために、実績を知りたい」という部長からのリクエストに応えるために、課長が集計していただけのことだったのです。
なので、正直に答えれば良かったのです。

これは、プレフレーミングが無かったために、聞き手である私が困ったというお話です。
「残業代の予算を組むために、実績を知りたい」というプレフレーミングがあれば、私の心の葛藤はなく、正直に答えることができたのです。

」「

」「

例を挙げますね。

まだ、私がサラリーマンだったある日、ある時のことです。

当時の上司である課長から、唐突に

「木村くん、先月は何時間残業した?」

と聞かれました。

残業制限が厳しい時期だったので、私は答えに窮してしまいました。

「もっと残業を減らしなさい」とか 「残業しないようにしなさい」とか

言われるのではないか、と思って、多く答えた方が良いのか、少なく答えた方が良いのか迷ったのです。

私の残業は少ない方で、月に10時間くらいだったので、正直に答えても大した問題ではなさそうだったので、そのまま正直に答えました。

あとから分かったことですが、 「残業代(人件費)の予算を組むために、実績を知りたい」 という部長からのリクエストに応えるために、課長が実績を集計していただけのことだったのです。

最初から、そう言ってくれたら、私もあれこれ迷って、答に窮することもなかったのです。

これは、プレフレーミングして欲しかった、という例です。

」「

関連記事

関連記事

特集記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA


TOP