仕事は手段であり、目的ではない。

 そして、「自分はどんな人生を送りたいのか?」という命題にも取り組むことになった。
 人生と仕事の関係を考え始めたのである。

 仕事はお金を稼ぐ手段であって、目的ではないのではないか?
 もちろん、仕事にやりがいを感じることは大切なことである。人生の大半の時間を仕事に費やすのだから、イヤイヤ仕事をするよりも、喜びを感じながら仕事をした方が良いのに決まっている。

 話は逸れるが、あるとき電車の中で、OL2人のこんな会話を聞いた。
  A:「あの上司、マジ、ムカつく」
  B:「私の上司もムカつくの。私の給料はガマン料だと思って気にしないようにしている」
 ある意味で、B はこの考え方で感情のバランスを保っている上級者ではあるが、それにしても給料=ガマン料って、なんとも悲しい現実である。

 話を戻して、仕事はお金を稼ぐ手段であって、目的ではないのである。
 ところが、世の中には手段と目的が分からなくなってしまって、本来は手段だったはずのモノが目的になってしまって苦しんでいる人がなんと多いことか。
 仕事はお金を稼ぐ手段と言い切ってしまうと、次のような反応をしてしまう人もいると思う。
  「私は仕事にやりがいを感じていて、お金のためだなんて思っていない」
  「お金のためだなんて、汚らわしい」

」「

やりがいが、ある/ない ←→ 収入が、多い/少ない

のマトリックス

」「

 では、やりがいを感じられるということだけで満足していて、給料が半分になっても今の仕事を続けると言えるのだろうか?
 給料がもらえなくても、その仕事を続けるのだろうか?
 「いや、それでもその仕事を続ける」と言える人は立派だと思う。本当に天職と言えるモノと出会えたラッキーな人だと思う。
 でも、おそらくあなたはそういうラッキーな人ではないはずである。
 そういうラッキーな人であれば、そもそも本書をここまでは読んでいないはずである。

 だから、多かれ少なかれ、お金を稼ぐために仕事をしているのである。

 次に、「お金のためだなんて、汚らわしい」などと、お金にネガティブな思いを持っている場合のことにも触れておきたい。
 「お金が全てではない」という言葉を聞く。
 「人生」を主語にして、「人生はお金が全てではない」という言葉は、私もまったくその通りだと思う。
 しかし、「世の中」を主語にしたら、「世の中はお金が全てである」という言葉の方が当てはまる。
 お金がないこと、それだけで不幸になるワケではないけれど、不便であることには間違いがない。

 そして、人生には、お金で解決できない大事なことがある。
 家族だったり、愛だったり、他にも挙げられるかもしれない。
 しかし、実態は、お金が足りないことで、お金があれば解決できる些末なことに煩わされて、本当に大切なことに手が回っていないことが多い。
 お金があれば解決できることはさっさと解決して、お金では解決できない本当に大切なことに専念できた方が良いと思うのである。

 ここまでの話で、「お金」も手段であって、目的ではないことが分かってもらえると思う。
 ここでも、手段と目的が入れ替わってしまって、苦しんでいる人が多いことが分かる。

 また、話が逸れるが、相談を受ける中で、「今欲しいモノは何?」と聞くと、たいてい最初に挙がるのが「お金」である。
 その気持ちは良く分かるが、本当に欲しいのはお金なのか?
 お金が手に入ったら、そのお金で何かを買ったり、サービスを受けたり、どこかへ行ったり、したいはずである。
 お金が手に入ったら、絶対に手放したくない、という人はあまりいない。
 としたら、本当に欲しいのは、お金で手に入れられるモノだったり、経験できるコトだったりなのである。
 やっぱり、「お金」は目的ではなく、モノを手に入れたり、経験したりするための手段なのである。

 さらに、話が逸れるが、
 単に「〇〇円が欲しい」と言っている人と「□□をするために必要な〇〇円が欲しい」と言っている人では、どちらが実現可能性が高いと思うだろうか?

 で、お金を稼ぐために仕事をしているという話に戻るが・・・
 では、何のためのお金を稼ぐために仕事をするのか?
 生活のため? 確かに生活を維持するためにはお金が必要である。
 しかし、究極の目的は、理想の人生を実現するためということが言えるのではないか?

 このように言うと、「理想の人生を実現する? そんな綺麗ごとは世の中には通用しないんだよ!」と反応してしまう場合がある。

 このような反応に、次のような話を紹介する。

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