仕事や職業の選び方

見本号で、「もう一つの視点」と対極をなすモノ・概念として、
・常識
・普通
・当たり前
という言葉を紹介しました。

ここでは、「もう一つの視点」を理解し、手に入れるのを妨げる
もう一つの強力なモノを紹介しておきたいと思います。

それは、「思い込み」です。
「思い込み」の程度の強いモノを「信念」ということがあります。
合わせて、知っておいてください。

「思い込み」「信念」も「常識」などと同様に、そうとう厄介なシロモノです。
ただ、厄介ではありますが、上手に付き合うと、強力な味方にすることもできるのです。

「思い込み」は、それまでに見聞きしたことや経験したことを元に、自ら「思い込む」こともあるし、
親や兄弟、親戚、学校の先生、友達、メディアなどから「思い込まされる」こともあります。

「思い込み」は、本人にとっては何の疑問もなく、すでに「そうだ」と思っていることなので
自分がどんな「思い込み」を持っているかに気づかないことが多いのです。
それが厄介なシロモノである理由です。

私が20代の仲間の相談に乗ってきた中で分かってきた、
多くの人が持っていて、ハマってしまっている共通の「思い込み」がいくつかあるので、
それらについても、このメールマガジンで一緒に疑ってみていきたいと思っています。

■■

このメールマガジンの目的は、
あなたが「自分自身の人生」を生きられるようになること
なので、最初に扱うテーマを「仕事」「職業」に関することにしようと思います。

私が20代の仲間から相談を受ける中で、もっとも多いテーマの一つであることと、
人生の中で時間的にも、労力的にも、一番大きな割合を占めている分野なので、
ここから改善・変革することが、大きなインパクトになると思うからです。

「仕事」「職業」に関することで、最初に考えるのは、

「仕事や職業の選び方」

についてです。

あなたが今すでに社会に出て、お仕事をしているならば、
今の仕事・職業をどうやって選んだか、どんな基準で選んだのか、
を思い出して見てください。
今度、仕事・職業を変えるとしたら、どんな基準でどうやって選ぶかを
考えてみても良いですよ。

あなたが、今はまだ社会に出ていないならば、
仕事・職業を選ぶことになったときには、どんな基準でどうやって選ぶかを

事情があって今はお仕事をしていないのならば、
過去に仕事・職業を選んだときには、どんな基準でどうやって選んだかを思い出しても良いし、
次に仕事・職業を選ぶことになったときに、どんな基準でどうやって選ぶかを考えても良いですよ。

そして、もう一つ。
とても大事な質問です。

「そもそも、何のために仕事をしてるんだっけ?」
「そもそも、何のために仕事をするんだっけ?」

という質問(疑問)について考えてみてください。

今回は、すでに長くなってしまったので、
宿題にしますので、次号までに考えておいてください。

次号は明日の夕方にお届けします。

それでは、また明日お会いできるのを楽しみにしています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

―――

さて、前号で宿題を出しましたが、もう済んでますか?

宿題は、

1)今の仕事をどんな基準でどうやって選んだか?
  (新しい仕事をどんな基準でどうやって選ぶか?)

2)そもそも、何のために仕事をしているんだっけ?
  (そもそも、何のために仕事をするんだっけ?)

の二つを考えてみることです。

もし、まだ考えていないようなら、考えてみてから、読み進めてくださいね。

■■

それでは、宿題1)の答えから見ていきましょう。

選んだ基準としては、
・収入が多いか、少ないか?
・勤務地はどこか?
・転勤はあるのか、ないのか? あるとしたら、どんなところか?
・休みは多いか、少ないか?
・始業は何時からか?
・残業は多いのか、少ないのか?
・社宅(家賃補助)はあるのか、ないのか? あるとしたら、どんな内容か?
などの待遇面の基準もあったと思います。

・親や親戚、知人、先輩、友人が働いている会社だから
 もしくは、経営している会社だから
・大企業で名前が知られているから
・業績が良いから
・将来性があるから
・小さい会社で自分の力を試せると思ったから
・海外赴任希望で、海外展開している会社だから
・教育、育成のプログラムが整っているから
など、の理由もあったと思います。

他にも、いろいろあると思います。

もしかしたら、就職活動の時期が就職氷河期に当ってしまって、
何十社も受け続けて、ようやく採用が決まったということで、
選ぶ基準だなんていうのは贅沢な話だったかもしれませんね。

あなたが、どんな基準を持っていたとしても、どんな状況で就職活動をしてたとしても、
今の仕事(過去にやっていた仕事)を選んだときに次の2つの大前提があったはずなのです。
意識していたか、いなかったかには関わらず、必ず2つの前提条件があったはずです。

2つの前提条件とは、

1)「やりたい」と思うモノである
2)「できる」と思うモノである

ということです。

「やりたい」とは、積極的な「やりたい」が含まれているだけでなく、
消極的な「やっても良いかな」までも含んでいます。
積極的に「やりたい」とは思わないけれど、仕方がないから、他にないから「やっても良いかな」
というのも含まれているということです。

絶対に「やりたくない」というモノは選んでいないと思います。
絶対に「やりたくない」モノには、最初から応募しないし、採用が決まっても辞退するはずです。

人は、仕事を選ぶときだけでなく、何かをやるときには、この2つのことを考えます。
どちらか一方でも満たされないときには、行動に移しません。

このことを分かってもらうために、私はセミナーで実験をすることがあります。

その実験とは、
まず、私から受講生に対して、
「右手を挙げてください。」
と言います。

すると、受講生は全員右手を挙げます。

そしたら、受講生一人を選んで、このように質問します。

「なぜ、今、あなたは右手を挙げたのですか?」と。

すると、みんながみんな、こう答えます。

「だって、『右手を挙げてください』って言われたから」と。

他の人に聞いても、同じように答えます。

次に、私は、右手を挙げている受講生の一人を指名して、
前に出てきてもらって、言います。

「みなさんの前で全裸になってください。」と。

すると、
「いやいや、それはできません」と言います。
中には脱ぎ始める人もいますが、ほとんどが拒否します。

実験はここまでで、私は説明します。

右手を挙げたのは私に言われたからではなくて、
挙げても良いと思ったし・・・前提条件1)
挙げられる・・・前提条件2)
の両方が揃ったからです。

みんなの前で全裸になるのは、
前提条件2)は満たしていても、
前提条件1)が満たされない(恥ずかしいからやりたくない)
からやらないのです。

ついでに、
「逆立ちで腕立てをしてください」と言うこともあります。

ほとんどの人は、
できるならやっても良いけど(やりたいけど)・・・前提条件1)
逆立ちで腕立てはできないからなぁ・・・前提条件2)
ということで、やってくれません。

このことと同じように、あなたが仕事を選ぶときにも
あなたが意識していたか、そうでなかったかは分からないけれど、
この2つの前提条件があったのです。

1)やりたい(やってもよい)と思うモノ
2)できると思うモノ

私が新卒で就職したときにも、この条件で最初の絞り込みをしました。

前提条件1)として、電機メーカーとオーディオ機器メーカーを選びました。
前提条件2)として、材料や部品を専門的に研究・開発することより、システムを扱うことを選びました。

この2つの前提条件で選ぶことが、悪いと言うワケではないけれど、
「もう一つの視点」からすると、もう一つ大事な条件が加えられると思うのです。

そのもう一つの大事な条件については、宿題2)の答えを見ていく中でお話しましょう。

今回もすでに長くなっているので、
宿題2)については、次号で触れたいと思います。

次号は、また明日お届けします。

ーーーー

前号では、仕事を選ぶときの2つの前提条件について考えました。

・やりたい(やっても良い)と思うモノ
・できると思うモノ

ということでした。

今回は、宿題2)について触れながら、
前提条件としてもう一つ追加すると良い重要なモノについて考えていきます。

まず、宿題2)は何だったでしょうか?

2)そもそも、何のために仕事をしているんだっけ?
  (そもそも、何のために仕事をするんだっけ?)

でしたね。

あなたはこの質問にどのように答えますか?

もしかしたら、何のために、なんてことは考えてもみなかったかもしれませんね。

・学校を卒業して、社会に出たら、働くのが普通だから。
・食っていくため。生活のため。そのためには必要だから仕方なく。

という感じでしょうか。

宿題2)の質問は、働く目的を問うモノです。

質問を書き換えると、
「仕事をする(している)目的はなんですか?」
「どんな目的で仕事をする(している)のですか?」
ということです。

本来、仕事は、何かしらの目的を果たすための手段のはずです。
それなのに、仕事が目的になってしまっている人、
つまり、目的と手段がごっちゃになってしまっている、
そういう人が、私が相談を受ける20代の仲間の中にも多いのです。

仕事のことに限らず、何かに取り組んでいると、
目的と手段が分からなくなってしまうことが多いようです。

日本からハワイに遊びに行くのが目的で、
飛行機に乗るのが手段なのに、

手段である乗り物にこだわるあまりに、
ハワイに辿り着けなくなってしまっている人が多いようです。

ハワイと飛行機の喩えをすると、
「そんなバカな」
と思う人でも、実生活の中で同じことをしている人が多いのです。

日本からハワイに遊びに行くという目的があるから、
飛行機に乗るという手段が決まるのです。

飛行機に乗りたいから、ハワイに行くのではありません。

どんなに飛行機に乗りたいから、飛行機は速いから、と言っても、
自分の住む街の役所に行くのに飛行機を使う人はいないのです。

自分の住む街の役所に行くのが目的ならば、
飛行機で行くよりも、新幹線で行くよりも、車で行くよりも、
自転車で行く方が早く行ける、楽に行けるということもあるのです。

逆に、日本からハワイに行くのに、自転車や車、電車を選ぶ人はいません。
船でも行かれるけれど、船旅が目的でなくて、ハワイに行くのが目的ならば飛行機を選ぶでしょう。

手段が先に決まって、後から目的が決まることはないのです。
目的が決まるから、最適な手段が決まるのです。
目的が決まれば、自ずと最適な手段が選べるのです。

ここで、仕事の選び方の話に戻りましょう。

仕事は手段だとしたら、目的を先に決めた方が良さそうです。
目的が決まれば、自ずと最適な手段が選べるはずです。

それなのに、仕事を選ぶこと、仕事に就くことが目的になってしまって、
本来の目的を考えずに仕事を選ぶ人がなんと多いことでしょう。

とりあえず、やってきた電車の色が気に入ったから飛び乗って、
気づいたら、思いもよらない、とんでもないところを走っていた、
と嘆いている人がなんと多いことか。

目的を先にハッキリとさせてから、手段を選びましょうよ。

では、改めて、仕事をする目的とはなんでしょうか?

もちろん、生きていくためにお金が必要です。
だから、そのためのお金を稼ぐことは大切です。

「生きていくために必要なお金を稼ぐため」というのは確かに仕事をする目的にはなり得ます。

私が相談を受ける20代の仲間の中にも、仕事をする目的を尋ねると、このように答える人もいます。
そういうとき、私は次の質問をします。

「あなたは、何のために生まれて来たの?」
「仕事をして、なんとか生き長らえるために生まれて来たの?」
「生活に必要な分だけ仕事で稼いで、その稼ぎの範囲で生活する人生を
 これから40年以上も続けていくために、生きていくの?」

あなたは、あなたの人生にもっと望んでも良いはずです。
あなたの人生は、あなたが望まないモノは用意してくれません。
あなたの人生は、あなたが望んだモノを用意してくれます。
(この話は後日詳しく扱いたいと思います。)

望んだモノを手に入れるには、用意してもらった方が良いですよね。
用意して欲しかったら、あなたが望むことです。

そして、あなたがあなたの人生に望むモノ、それがあなたが生まれて来た目的なのです。
あなたがあなたの人生に望むモノ、それがあなたが生きていく目的なのです。

そして、あなたがあなたの人生に望むモノを手に入れるための手段が仕事なのです。

宿題2)の理想の答えは、
「自分の人生に望むモノを手に入れるため」に仕事をしている。
ということになります。

仕事選びの基準として、加えると良いもう一つの基準は、
「自分の人生に望むモノを手に入れることができるかどうか」
ということです。

実は、この基準が一番大切だと思うのです。
しかし、仕事を選ぶときに、この基準で判断している人って、
新卒のときの私も含めて、ほとんどいないというのが実情です。

ここまで分かって来ると、次に考えることは、
「自分が自分の人生に望むモノ」ってなんだろう?
ということになります。

次回以降では、このことについて考えていきたいと思います。
スキマ時間に「自分の人生に望むモノ」を考えてみてくださいね。
考え方のコツについてもお伝えできたらと思います。

次回は、明日お送りしますので、お楽しみに。

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