情報発信者の意図

人が情報発信するときには、発信者の意図が含まれているということをお伝えしました。

A さんが、「〇〇である。」

という結論を伝えたいとき。

「〇〇である。」ことを裏付けるエビデンスを探します。

「〇〇である。」ことの正しさを補強するエピソードを集めてきます。

そして、科学的・客観的に正しいことのように、「〇〇である。」という結論を出します。

一方で B さんは、「〇〇ではない。」

という結論を伝えたいとき。

「〇〇ではない。」ことを裏付けるエビデンスを探します。

「〇〇ではない。」ことの正しさを補強するを集めてきます。

そして、科学的・客観的に正しいことのように、「〇〇ではない。」という結論を出します。

この場合、

・A さんが正しくて、B さんが間違っている。

・A さんが間違っていて、B さんが正しい。

・A さんも間違っていて、B さんも間違っている。

という 3 つのパターンが存在します。

お互いの論は両立しないので、

A さんも正しくて、B さんも正しい。

ということはありません。

どちらも一部は正しくて、一部は間違っているということはあるかもしれませんが。

A さんが、「〇〇である。」という結論を発信するのには、何かの意図があるはずです。

B さんが、「〇〇ではない。」という結論を発信するのには、何かの意図があるはずです。

そのことを考えながら、どちらの情報(嘘)を信じるかは、あなたに力を与えてくれるほう・あなたが楽しくなれるほうを選べば良いのです。

ちなみに、私は 2020 年 6 月に生体腎移植をしました。

その前年( 2019 年)の 8 月と 9 月にも手術を予定していたのですが、2 回延期になりました。

その理由が、手術 1 週間前から免疫抑制剤を 3 種類飲むのですが、その影響で膵臓から出る酵素の量が増えてしまったのです。

そのままでは、膵炎を発症してしまいかねないということで、手術を延期しました。

延期するに当たって、3 種類のうちのどの薬が影響したのかを、医師が製薬会社に頼んで、世界中の症例を集て調べてくれました。

結論は、

A:「X剤が膵炎を改善した。」という論文とB:「X剤が膵炎を引き起こした。という論文の両方が見つかったのです。

医学という、科学の中の科学の分野でも、このようなことが起こるのです。

自分の都合に合う情報を見つけようとしたら見つけられるということです。

X剤の優位性を訴えたい人は、Bの論文の存在を言わずに、Aの論文を引用する選択ができます。

X剤の危険性を訴えたい人は、Aの論文の存在を言わずに、Bの論文を引用する選択ができます。

情報発信者も自分の意見の信憑性を高めるための情報を見つけることができるということです。

何を信じるか(どの嘘を信じるか)は、あなたが選ぶことができるのです。

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