今回のテーマは、「解釈」です。
事実やデータをどう解釈するか
ビジネスをしているときなど、事実やデータに基づいて判断することは、とても大切なことです。
しかしながら、それと同じくらい大切なことが、他にもあります。
それは、集めたデータをどう解釈するか、どこに・何に注目するか?
ということです。
データが意味すること
データをどう解釈するか、どこに・何に注目するか?
具体例を挙げて説明します。
97% に注目するか、残りの 3% に注目するか
ずいぶん古い話で恐縮ですが、私がサラリーマン時代に実際に経験したことです。
当時、私は、新規事業立ち上げの部門にいました。
私は技術担当だったので、営業担当がアポを取ってきたら、一緒にお客様のところに伺ってプレゼンをしたり、ニーズを聞き出したりする役割でした。
ところが、営業担当がなかなかアポが取れずに、技術担当の私たちの出番はありませんでした。
部長から、営業担当・技術担当に関わらず、何か良いアイデアを出すようにという指示がありました。
技術担当の先輩が、
「ダイレクト e-メールを配信したらどうか。」
というアイデアを出しました。
当時は、今のようにスパムメールは多くなかったので、有効な手段だと思われました。
しかし、その提案を聞いた部長は、
「 97% のダイレクトEメールは読まれずに捨てられてしまう、というデータがあると聞いた。
だから、そんなことをしてもムダだ。」
と切り捨てました。
すでに、万策尽きている段階での提案だったので、私にはダメもとでやってみてもよさそうなのに、と思えました。
提案した先輩も私も、このときに思っていました。
「 97% のダイレクトEメールが読まれずに捨てられてしまうのなら、読まれる 3% に入れるように工夫すれば良いのではないか?」
」「
もしかして、その情報は、FAX DM を売っている企業の宣伝文句なのかもしれない。
」「
と。
これは、部長が持っていたデータの、別の見方です。
医薬品の成分では
少し違った話ですが、私が使っているウエットティッシュのウリ文句として、
「 99% 純水を使用。」
と書いてあります。
これは、
「 99% 純水を使用しているので、お肌にやさしいですよ。」
ということをアピールする文言です。
見方を変えれば、残りの 1% は、どんな成分なんだ?
と疑問になってしまいます。
一方、私が使っている花粉症用の目薬の有効成分は、
「 0.1% 含有」
となっています。
有効成分が 0.1% 含有していれば、薬として充分効果があるということを示している文言です。
見方を変えれば、残りの 99.9% は、どんな成分なんだ?
ということになってしまいます。
どちらに注目するかによって、意味が大きく変わってきてしまいますね。
まとめ
事実やデータに基づいて判断することは大切です。
だけど、そのデータをどう解釈するか、どこに・何に注目するか、ということも、それと同じくらい大切だよなぁ、と感じていただけたら幸いです。
今日の問いかけ
あなたが集めた事実・データを別の見方で解釈すると、どういう意味を持ちますか?
関連記事
2021.04.15
情報量は判断に影響する
何か、ものごとの判断をしたときに、 「それ、先に言ってよ。」「それを知っていたら、そんな決定しなかったよ。」「先に知らなか...
2021.03.22
事実・真実・意見の違い
解説 人は、自分の意見をあたかも事実であるかのように表現することがあります。 ...
2021.04.13
事実と真実
事実は1つ。 真実は人の数だけある。 詳しい解説はこちら ...
2021.04.13
客観的・科学的根拠
自分の主張を補強・正当化するために、客観的・科学的な根拠を利用することがあります。 たとえば、 「□□である...
2021.04.13
情報発信者の意図
人が情報発信するときには、発信者の意図が含まれているということをお伝えしました。 A さんが、「〇〇である。」 ...
2021.04.15
見ただけでは、分からないこともある。
終始、難しい顔をしているセミナーの受講生がいました。 見た目で判断すると 私が開催したセミナ...
コメント