「刺激→反応」ではなく、「刺激→解釈→反応」
前者は、脊髄反射(原始の脳の反射)=動物・昆虫の反応。
後者は、大脳辺縁系が発達した人間の反応。
コミュニケーションにおいて、どのように反応するかというのは、思考の重要な要素の一つです。
我々は、外部世界からの刺激や情報を受けて、反応をして外部世界に刺激や情報を返します。これを繰り返して、コミュニケーションをしています。
意識していないと、特定の刺激や情報に対する反応がパターン化されています。反応のクセとも言うことができます。
例えば、「投資」の話になると、
- 損する
- 怪しい
- 騙される
という恐怖心が起こり、耳をシャットダウンする。
といった反応をするパターンがあります。
「投資」の話にも耳を傾けましょう、ということを言いたいのではありません。このように、無条件に、反射的に、反応をしてしまうということがありますよね、というお話です。
このようなことが、コミュニケーション上の問題や障害になっていることがあります。しかし、パターン、クセになっているので、本人は気付いていないことがほとんどです。
例えば、
- 自分が言ったことを否定されてしまうと、単にその意見を否定されただけなのに、人格を否定されたと受け取って、凹んでしまい、その人と話すのが怖くなってしまう。
- 相手の顔色を伺って、自分の意見を変えてしまう。しかし、伺った顔色のヨミが間違っていて、怒られてしまうことが多い。
- どうせ自分の意見は通らないから、反対されて傷つくより、最初から言わないようにしている。
などです。
実際は、外部世界からの刺激や情報に対して、その時、状況に合わせて、反応を選択することができます。
その方法について考えていきたいと思います。
1.6.4.1.反応は選択できる
外部世界からの刺激や情報を受けてから、反応するまでのプロセスが、パターンやクセになってしまっているというのは、次のような状態です。
刺激や情報 → 反応
特定の刺激や情報に対して、どう反応するかというのが、紐付いている状態です。この状態では、反応を選択することができません。
パターンやクセになっていないプロセスは、次のような状態です。
刺激や情報 → 解釈 → 思考 → 反応
つまり、刺激や情報を解釈して、それを元に思考をして、どう反応するかを決めているのです。ということなので、「解釈」と「思考」を変えることで、「反応」を選ぶことができます。
「3.5.2.4.解釈・意味付けのクセの違い」で解説したとおり、「解釈」にもクセがありますので、どう「解釈」するかを意識的に選択することが大切です。
そして、その「解釈」に基づいて、思考し、どう反応するかを選びます。
第1ステップは、「解釈」「思考」をすることで、「反応」を選択できるということを頭に置いておくことです。そうすることで、無条件に、反射的に、反応するのを防げ、意図的に反応を選択できるようになります。
ただ、例えば、先に「投資」の例で、今までに、さんざん投資の勉強もしてきたし、実際に投資もしてきた。その上で、もう投資はしない、と決めた。だから、今後、投資の話は無条件に、反射的に、拒否するという選択をすることもできます。
「解釈」「思考」にも時間やエネルギーが必要なので、それらを適切なところに振り向けるために、それらを費やさない分野を選んで切り捨てるという方法もある、ということです。
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