「学習する」と「教える」

 【「学習する」と「教える」】

  前々号では、「教えること」の大きな利得についてお話しました。

  今回は、教えることと学習することの関係について、
  もう少し触れてみますね。

  学習の段階には、

  (0)知らない
      ↓
  (1)知っている(聞いたことがある)
      ↓
  (2)理解している
      ↓
  (3)実践している
      ↓
  (4)実践できている
      ↓
  (5)教えている

  という段階があると言われています。

  教えることが一番学習効果が高いということは、
  前々号でお話したとおりです。

  私はもうちょっと突っ込んで、

  (6)教えることができている(教えた人がやっている)
      ↓
  (7)教えた人ができている
      ↓
  (8)教えた人が教えている
      ↓
  (9)教えた人が教えることができている

  まで考えると良いのではないかと思っています。

  もちろん、その分野の学習をどこまで追究するかによって、
  進む段階を選べば良いのですが。

  (5)では、あなたが教えています。教えている相手をAさんとします。

  (6)では、あなたが教えることができていて、
   Aさんが(2)の段階から(3)の段階に来ています。

  (7)では、Aさんが(4)の段階です。

  (8)では、Aさんが(5)の段階です。Bさんに教えているとします。

  (9)では、Aさんが(6)の段階で、
   Bさんが(2)から(3)の段階に来ています。

  ここまでの段階を考えると、その分野を究めたと言えるのでは
  ないかと思うのです。

  例えば、予備校の人氣講師は、元々勉強ができなかった
  という場合がよくあります。

  これは、自分自身がつまづきながら、学習を進めて来た経験があるから、
  なかなか理解できない人の氣持ちやどこでつまづいているのかが
  分かるので、上手に教えられるわけです。

  何の苦労もなく勉強ができた人は、できない人の氣持ちや
  どうしてできないのかが分からないので、
  必ずしも教えるのが上手というワケではないのです。

  つまり、つまづきながら学習を進めて来たということは、
  それだけ時間をかけてじっくり学んだということなのです。

  苦労なくできた人は、もしかしたら
  さらっと、表面的な部分だけを理解してきたのかもしれません。

  しかし、そういう人は、人に教える段階に来たときに、
  教えることにつまづきながら進むことになるので、
  そこでたくさんのことを学ぶことができるのだと思います。

  つまり、(9)の段階までを考えると、
  自分が学習するときに時間をかけるか、
  人に教えるときに時間をかけるかの違いだけで、
  じっくり学習する機会を経験できて、その道を究められるのです。

  こういった観点からも、教えることの学習効果を理解できるのでは
  ないでしょうか。

 【今回のまとめ】

  やっぱり、学習効果を上げるためには、教えよう。

関連記事

関連記事

特集記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA


TOP