怒りの要因

先日、とある総合病院での出来事です。
「バカにしてるのかっ!」と怒っている人がいました。

「人はどういうときに怒るのか?」
ということを考えてみることは大切なことです。

スタッフの不平不満になりうる要因や
お客様からのクレームになりうる要因を知っていることで、
それらを未然に防ぐことができるようになるからです。

ことの経緯は以下のようでした。

私が気付いたときには、すでにその人は怒っていました。
きっかけは分からないのですが、
おそらく長い時間待たされていたか、
案内された場所が間違っていたか、
そんな感じでした。

一人のスタッフ(おそらくナース)が対応していました。

そして、しばらくして、ようやくその人の気持ちが落ち着き、
しかるべき場所へ案内をされて、そちらに歩き始めました。

そして、対応していたナースは持ち場に戻ろうとしていました。

持ち場に戻る途中に受付があり、一部始終を見ていた受付スタッフと
アイコンタクトをして、両手を頭の上に持って行き、
オニの角を示すジェスチャーをしました。

全くの私の推測ですが、おそらく、「怒らせちゃった!てへぺろ」
というくらいの軽い意味合いだったのでしょう。

ところが、そのジェスチャーを先ほどの怒っていた人が見てしまったのです。

せっかく落ち着いた気持ちが、また燃え上がってしまいました。

「今、何をしたっ! お前、オレのことをバカにしてるのかっ!」

と歩き始めていた方向から踵を返して、
ナースの方に詰め寄ってきました。

そこから、延々と
なだめすかそうとも、
ナースが何を言って謝ろうとも
耳を貸さずに

「あのジェスチャーは何だっ!」
「オレは見たんだぞっ!」
「バカにしてるのかっ!」

とフロア中に響く大声で、怒鳴りまくっていました。

傍から見ていた私は、冷静にその状況を観察し、考えてみました。
(あ、怒鳴り声が怖かったので、冷静ではなかったかもしれませんが)

「人は自分が大切に扱われていないと感じると怒りや寂しさを覚える」
というのは、心理学上の考え方の一つですが、
おそらくその人も「大切に扱われていない」「バカにされた」と感じたのでしょう。

そして、「バカにされた」ということに過敏に反応してしまうのは、
「バカにされたくない」「私はいつも不当にバカにされている」と
常日頃から思っているからなのかな、と思いました。

もしくは、その人が他人をバカにするときには、
似たようなジェスチャーをしてバカにするんだろうな、と思いました。

もちろん、病院のスタッフが患者の見えるところで、
患者本人を茶化すような話をしたり、ジェスチャーをしたり、
というのにも問題が無かったとは言いません。
そんなことをしてはいけません。

しかし、あんなに激しく怒るのは、その人の問題もあるんだろうなぁ、
と思った一件でした。

怒らせてしまったナースにしてみたら、
ちょっとしたおふざけだったのでしょう。
まさか、そんなことで、あれほど人が怒るとは思ってもいなかったでしょう。

それくらい、他人の着火点、沸騰点というのは分からないものです。
ということは、どんなに細心の注意を払っても、
相手を怒らせてしまうこともある、ということです。

気をつけることに越したことはありませんが、
どうにも仕方ないこともあるということを知っておくと良いでしょう。

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