コミュニケーション障害の最大要因とは

コミュニケーション障害の最大要因を知っておくことは、コミュニケーション能力を向上するために重要です。

下図に、コミュニケーションの構造を示します。

コミュニケーションの構造については

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で、詳しく解説しています。

図中の「心理的フィルタ」は、我々が思考をするのに必要な情報を、出し入れするときに、必ず情報が通る部分です。

浄水器のフィルタや、カメラのレンズに付けるフィルタのように、そこを通すもの/通さないものを選別したり、通すものに影響を与えて変化させたりするものです。

もちろん、「心理的フィルタ」は、目に見える、物理的な物体ではありませんが。

そして、「心理的フィルタ」は、開いていなければ何も通しません。
カメラのレンズにキャップをしているようなことです。

この、「心理的フィルタ」が開いていないことが、コミュニケーション障害の最大要因の1つと言えます。

このページでは、「心理的フィルタ」を開ける方法について解説します。

コミュニケーション障害の最大要因の1つを取り除くヒントになれば幸いです。

「心理的フィルタ」については、

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でも、詳しく解説しています。

「心理的フィルタ」を開ける

まず、コミュニケーションをとるためには、「心理的フィルタ」が開いている必要があります。

そもそも、フィルタが閉じていたら、通るモノも通りませんからね。

ちなみに、「心理的フィルタ」を開くことを、心理学の用語では

ラポールを築く

と言います。

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ラポールとは、フランス語で「関係」という意味です。

「ラポールを築く」とは、「コミュニケーションができる関係を築く」ということです。

ただ、今はまだ専門用語を覚える必要はありません。

「心理的フィルタ」の開閉は、心の安心・安全で決まる。

相手の「心理的フィルタ」を開けるということは、相手の「心を開く」ということです。

まずは、次に挙げる4つの場面を想像してみてください。

それぞれの場面で、あなたはどれくらい、心を開いてコミュニケーションをとるでしょうか?

  1. あなたが街中を歩いていて、見ず知らずの人に声を掛けられたとき
  2. 知人の紹介で、初対面の人と会うとき
  3. いつも一緒に仕事をしている職場の同僚と、一緒にランチをしているとき
  4. 親友と呼べる人と、一緒に飲んでいるとき

おそらく、いや、間違いなく、1<2<3<4の順番で、心を大きく開いて会話をするでしょう。

それでは、次はどうでしょう。

次に挙げる3つの場面で、私生活のことを話すのと、仕事のことを話すの、どちらの方が心を開いて話し易いですか?

  1. 学生時代の友人と話をしているとき
  2. 職場の同僚と話しているとき
  3. 家族と話しているとき

おそらく、それぞれの場面で、心の開き方が違うことでしょう。

1の場面では、私生活のこと、仕事のこと、どちらも心を開いて話せるでしょう。

2の場面では、私生活のことは心を開かず、仕事のことは心を開いて話すかもしれません。

3の場面では、私生活のことは心を開いて話をしても、仕事のことは心を開かないかもしれません。

このように、人は自分の「心理的フィルタ」を、開けたり、閉めたり、どの部分を開けて、どの部分を開けないようにする、ということを意識的にも、無意識的にも選択しています。

それでは、どんなときに、「心理的フィルタ」を開けよう、開けても良いという選択をするか、について考えていきましょう。

結論は、心の安心・安全だと感じれば、「心理的フィルタ」を開けよう、開けても良いと考えます。

安心・安全を感じるというのは、

  • この話をしても、理解してもらえるだろう
  • こんなことを言っても、受け入れてもらえるだろう
  • あんなことを言っても、認めてもらえるだろう

といったようなことです。


逆に、不安・危険を感じれば、「心理的フィルタ」を閉める、開けないようにします。

不安・危険を感じるというのは、

  • この話をしても、分かってもらえないだろう
  • こんなことを言ったら、馬鹿にされる
  • あんなことを言ったら、怒られる

といったようなことです。

以上のように、親しさの度合い、どんな場面での知り合いなのかによって、「心理的フィルタ」の開き具合が変わるということです。

ということは、相手の「心理的フィルタ」を開くためには、相手と親しくなれば良いということになります。

ただ、このページをご覧のあなたには、自然と成り行きで親しくなるのを待っている時間はないはずです。

どうすれば、相手の「心理的フィルタ」を素早く、(必要のある分野において)全開にできるかを知りたいはずです。

相手に心の安心・安全を感じさせる方法

相手に安心・安全を感じさせるにはどうした良いのでしょうか?

人は、自分と似ているところ、同じところが多ければ多い相手ほど、安心して、味方だと判断します。

自分と似ていないところ、違うところが多ければ多い相手ほど、安心できずに、味方ではないと判断します。

ということは、相手に、

「自分はあなたと似ていますよ。こんなに同じところがありますよ。」

というメッセージが伝われば、相手は安心・安全を感じる、ということになります。

そのためには、

相手と同調する

ことです。

共通点がないならば、その場で作ってしまえ、ということです。

もともと持っている共通点よりも効果が小さいのではないかと思うかもしれませんが、安心してください。

もともと持っている共通点の効果と同じくらいの効果があります。

同調をする主な方法には、3つあります。

それは、

  1. ミラーリング:
    相手と同じ姿勢、同じ動き、などで同調する。
  2. ペーシング:
    相手と同じ声の大きさ、声の高さ、話すスピード、などで同調する。
  3. バックトラッキング:
    相手が使った言葉を自分も使う、などで同調する。

です。

これらの方法は、親しい人同士が話しているときには、無意識のうちにやっていることです。

その証拠に、カフェなどで、お話している人たちを観察してみると分かります。

話が盛り上がっているテーブルの人たちは、同じタイミングで笑ったり、声が大きくなったり小さくなったり、後ろに仰け反ったり、前のめりになったり、ということを観察できます。

もし、このようなことが起こっていないテーブルがあったとしたら、ケンカの最中なのか、カップルだとしたら、もう別れる寸前か、別れ話の最中かもしれませんね。

親しく話ができているときに、無意識にやっていることを、逆に意識的に、先に、やってしまうと、結果として親しく話ができるようになるのです。

ミラーリングも、ページでも、バックトラッキングも、過剰でも不足でも、効果が上がりません。

逆効果になってしまうこともあります。

「観察力」を駆使して、「柔軟性」を持って、効果が上がるように工夫してみてください。

「失敗はない。結果があるだけ」ですから。

「観察力」と「柔軟性」については、

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で詳しく解説しています。

まとめ

コミュニケーション障害の最大要因の一つが、

「心理的フィルタ」が開いていないこと

であることを解説しました。

「心理的フィルタ」を開く方法を理解し、実践して、コミュニケーション障害の最大要因の1つを取り除く。

そのことが、コミュニケーション能力の向上につながります。

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