コミュニケーション能力向上のために知っておくべきコミュニケーションの構造とは

コミュニケーション能力の向上のために、コミュニケーションの構造を知っておくと役に立ちます。 

自分のコミュニケーションの、

  • どの部分が、うまくいっていて、
  • どの部分が、うまくいっていないか。
  • どの部分を、そのまま活かし、
  • どの部分を、改善すれば良いか。

が分かるからです。 

このページでは、コミュニケーションの構造を図解します。

コミュニケーションの構造

コミュニケーションの構造を知っておくとは、コミュニケーション能力向上に役立ちます。 

下図には、コミュニケーションの構造を簡略化したものです。

図の、

  • 左側部分が「自分」
  • 右側部分が「相手」
  • その中間部分が「外部世界」

です。

思考

「思考」は、普段から私達が頭の中で行っていることです。

  • 何をどう伝えるか
  • 何をどう解釈するか
  • 次はどう反応するか
  • あれはどうしようか

などを考えている部分です。

心理的フィルタ

「心理的フィルタ」は、「思考」する部分が情報を出し入れするときに、必ず情報を通すところです。 

空気清浄機のフィルタやカメラのレンズに付けるフィルタのように、そこを通すものと通さないものを選別したり、通すものに変化を加えたりします。

「心理的フィルタ」については、後述していますが、

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表現

「思考」で発生し、「心理的フィルタ」を通して、外部世界に出力された情報です。

出来事

外部世界で、「自分」とも「相手」とも関係がない、お互いがコントロールできないところで発生する情報や刺激です。

情報の流れ

自分の中の「思考」で、伝えたいことが生まれると、自分の「心理的フィルタ」を通して、「表現」として外部世界に出力します。 

「表現」は外部世界に出力(表現)された時点で、誰のものでもなくなります。

その「表現」を、どのように解釈するかは、受け手に任されることになります。

相手はその「表現」を、相手の「心理的フィルタ」を通して、外部世界から入力します。

そして、相手の「思考」で受け取ります。

それに対して、伝えたいことが生まれると、相手の「心理的フィルタ」を通して、「表現」として外部世界に出力します。

自分は、相手の「表現」を自分の「心理的フィルタ」を通して、外部世界から入力します。

そして、自分の「思考」で受け取ります。

自分や相手とは別の、外部世界で発生した「出来事」に対しては、

  • 自分は、自分の「心理的フィルタ」を
  • 相手は、相手の「心理的フィルタ」を

通して、外部世界から入力し、それぞれの「思考」で受け取ります。

心理的フィルタとは

自分の「心理的フィルタ」と相手の「心理的フィルタ」が、完全に一致していれば、自分が伝えたいことと、相手が受け取ったことは完全に一致することになります。

また、相手が伝えたいことと、自分が受け取ったことは完全に一致することになります。

さらに、自分と相手が同じ出来事を経験すれば、お互いが「受け取ったこと」は、完全に一致することになります。

ところが、自分の「心理的フィルタ」と相手の「心理的フィルタ」が完全に一致していることはありません。

それは、個々人の「心理的フィルタ」は、次に挙げるような要素から形成されているからです。

「心理的フィルタ」の形成要因

「心理的フィルタ」は、下記の要素から形成されています。

  • 年齢
  • 性別
  • 家族構成
  • 出身地
  • 母国語
  • 文化
  • 宗教
  • 育ってきた環境
  • 信念
  • 価値観
  • 教育
  • 常識
  • 知識
  • ボキャブラリと連想
  • 経験
  • 立場
  • 興味
  • 思考の癖
  • 連想体系
  • 気分
  • 体調
  • ・・・

などなど、です。 

これらが全て同一である人がいることはありえません。

双子であっても、同じになることはありません。
全く同じ経験をすることができないからです。

同じ日本人だからと言って、「同じだろう」と考えてがちですが、それは通用しないのです。

すなわち、自分と同じ「心理的フィルタ」を持っている人は、他にはいないということです。

自分の「心理的フィルタ」は他の人のそれとは違う、ということを分かっていることは大事です。

また、同じ人であっても、そのときどき、気分や体調は変わるものなので、「心理的フィルタ」の状態も変わります。

同じ人だからといって、いつも「心理的フィルタ」の状態が同じということではないのです。

そういうことなので、「自分が伝えたいこと」と「相手が受け取ったこと」が一致することはないと考えていた方が無難だということです。 

そこで大事となってくるのが、「観察力」です。

自分が伝えたいことと、相手が受け取ったことが、一致したのか否か?

完全に一致することが理想ですが、完全を目指すあまり、手間や時間をかけ過ぎるのも問題です。

許容できる範囲まで近づけられれば良しとして、どこまで近づいているのか、いなのか?

それを「観察力」を駆使して把握していくのです。

そして、まだ許容できる範囲まで近づいていないことが分かったら、「柔軟性」を駆使して、「表現」を工夫していく、ということです。

「観察力」と「柔軟性」については、

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「心理的フィルタ」を通した表現

心理学者のアルバート・メラビアン博士によると、話し手が、感情や態度について、バーバル表現とノンバーバル表現に矛盾があるメッセージを発したときに、聞き手が受ける影響は、 

  • バーバル表現:7%
  • ノンバーバル表現:93%

である、という実験結果を発表しています。 

話した、言った内容・言葉そのものよりも、それをどう表現したのかが、聞き手が受け取ることに大きく影響する、ということを知っておくのは大事なことです。

まとめ

コミュニケーション能力の向上のために、知っておくべきことは、

コミュニケーションの構造

です。 

とりわけ、重要なのが、

「心理的フィルタ」の存在

です。 

コミュニケーションの構造や「心理的フィルタ」について理解することで、自分のコミュニケーションの、

  • どの部分が、うまくいっていて、
  • どの部分が、うまくいっていないか。
  • どの部分を、そのまま活かし、
  • どの部分を、改善すれば良いか。

が分かり、改善していくことが可能になります。

「心理的フィルタ」については、

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