今回のテーマは、「本音・本心」です。
ある所長の相談
先日、相談を受けた、ある税理士事務所のA所長(女性)のお話です.
この事務所の職員は、全員女性で、A所長の他に、スタッフのBさん、Cさんが働いています。
新たにスタッフ1名を採用することにしたので、面接をしたとのことでした。
新たなスタッフを採用するということは、一緒に働く人を選ぶということなので、面接のときには、A所長だけでなく、既に働いている先輩スタッフ全員に同席してもらうことにしているのだそうです。
そして、面接を受けに来たのが、XさんとYさんです。
A所長のお話では、Xさんは、実務経験はまだ少ないけれど、伸びしろが期待できる。
Yさんは、実務経験が豊富で、すでに自分の仕事のスタイルを確立しているので、即戦力になる。
とのことでした。
どちらも、一長一短があるし、どちらも魅力的だけど、二人とも採用する余裕はない。
どちらを採用したものか、迷っている、と。
迷っているようで、実は心は決まっていた
すでに働いている先輩スタッフになる、Bさん、Cさんに意見を聞いたところ、BさんはXさんが良い、CさんはYさんが良い、と意見が別れてしまい、どちらにも決めかねている、と。
そして、今後の事務所の展望や、仕事の仕方などをお話してくださったA所長。
私は、A所長が思っていることを全て話し切れるように、質問をしたり、相槌を打ったりしながら、余計な口は挟まずに、お話を聞いていました。
ひとしきり、お話をし切ったところで、私は、私が気付いたことを、A所長に話しました。
お話の中に出てくるのは、Xさんのことばかりで、Yさんのことはほとんど話していませんでしたよ、と。
そのことを告げると、A所長は、そのことにご自身では気付いていなかったのです。
A所長ご本人は、迷っていると言いながら、本当は、心の奥底では、Xさんに決めていて、無意識のうちに、そのことを正当化するための根拠や理由を挙げていたのです。
結局は、後日、伸びしろが期待して、Xさんを採用されたそうです。
話をすることで、気付けることがある
このように、自分が考えていることでも、本人は、本当のことに気づいていないことがあるのですね。
そう考えると、他人(特に、心理のことを理解している人)に、話を聞いてもらう、ということって大事なんだな、と思いました。
今日の問いかけ
あなたには、あなたの話を、じっくり聞いてくれる人がいますか?
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